本日は晴天ナリ。

栗木 妙

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【前編】 /2

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「セルマ……君、一体、何したの……?」
 夕食を終え、宿舎に帰って自室の寝台でくつろいでいたところを、同室のワーズが、どことなく疲れたような顔で俺を覗き込んできた。
「『何した』って……何がだ?」
「まさか、自分が噂になってるの、知らないワケじゃないよね?」
「噂……?」
 そういえばワーズはナニゲに情報通だ。知り合ってからまだ間もないが、面倒見のいい性質たちであることも大方わかってきた。
 小姓として付いている副団長から頼まれているということもあるのだろうが、何くれと同期入団の面々を、普段から気に掛けてくれている。
 だから、どんな些細な噂話でも、どこからともなく仕入れてきては常にフォローに走り回っているのが、このレット・ワーズという新人騎士に対する俺の印象だった。
「食堂でも、あんなに注目を浴びてたのに……それでも気付かなかったの?」
 呆れたように言う彼を見上げながら、「何を今さら」と、何事でもないように俺は返す。
「俺が注目を浴びるのも、些細な噂のネタになるのも、そんなのいつものことじゃねえか」
 なにせ俺は美しい。自分で言うのもナンだが、本当に美形だからな。どこへ行っても、注目は集めるし、噂の種にはなるし、――押し倒されたりだってする当然。
 それをいちいち気にしていても仕方ない。面倒なことは流しておくに限る。
「今さら俺の美しさをゴチャゴチャ言うなよ」
「残念だ……本当に残念な美形だよね、君ってヤツは……!」
「いや、それほどでも」
「褒めてないし!」
 即座に裏手パンチでツッコミくれやがったワーズは、諦めたように深々とタメ息を吐いた。
 そして、ぐったりしたように、寝台の端に腰を落とす。
 その様子から、どうやらわりと大事のようだと、俺もやや眉を顰めた。
 思い返してみれば……今日一日は、普段にも増して注目を浴びていたような気がしないでもない。遠巻きにこちらを眺めながらひそひそ囁き交わされる、という光景を目にした回数も、普段よりも多くなかっただろうか。
「――で? 何なんだよ、その噂ってのは?」
 訊いてみた途端、即“やっと訊いてくれたのか”とでも言わんばかりの白い視線を向けられる。
「セルマ……君、昨晩、団長の部屋に呼ばれただろう?」
「ああ、それが何だ?」
「それが噂になってんの」
「は? 何で?」
 別に小姓なら当然のことじゃねーか、と訝しげに問うた俺を、再び呆れたように眺めてワーズは、またもや大きくタメ息を吐いた。
 そして言う。本当にどっぷり疲れ切ったような口調で。
「普通の小姓なら、あの団長に、わざわざ突っ込んだりしないでしょうよ……」


 俺の所属している近衛騎士団には、新入団者は、訓練の傍ら、まず上官付き小姓としての職務に就く、という慣例がある。
 軍の上官が必要に応じて小姓を置くことは、どこでもよくあることだ。とはいえ、ここ近衛騎士団に限っては、その用途が他とは大きく異なっているらしい。
 というのも、ワーズ曰く『上官の性欲処理のため』というのが、小姓としての任務の最重要事項であるのだから。
 そもそも近衛騎士団には、在籍中の妻帯は不可、という絶対的な規則がある。結婚して妻を持つことは当然ながら、結婚を前提とした恋人を持つことも許されない。当然、子を生すことなども論外だ。
 軍人の最高峰たる近衛騎士は、王の親兵。有事の際は身を挺してでも主たる王をお護りしなければいけないのが使命であるがゆえ、いざという時の判断に迷いが生まれぬよう、王以外に護るべき人を持ってはならない、というのが、その真意であるらしい。
 そのため、近衛騎士たちは王宮内の宿舎に住まうことを義務付けられ、性生活についても、ある程度の配慮はされている。多少の行き過ぎた部分も見逃して貰えていることも多いという。
 新人を上官の小姓として付ける、という慣習についても、どうやらそういった背景から生まれたものであるようだ。


 騎士の資格を得、軍最高峰である近衛騎士団への入団が叶ってから……そろそろ一月が経とうとしている。
 入団早々に、ワーズはじめ、主に平民出身者である俺と同期入団の数名が、騎士団幹部たる上官の小姓として付けられた。
 とはいえ、俺が近衛騎士団長の小姓として付けられたのは、つい最近だ。
 それまでは、誰の小姓とされることもなく、新米として相応しい仕事を割り当てられて過ごしてきた。
 いま与えられている宿舎の部屋は四人部屋なのだが、俺以外の同室の三人ともが、それぞれ誰かれかの小姓に付けられていて。
 そのうちの一人が当初、団長の小姓として付けられていたのだが……そいつは、もう居ない。
 入団式から、たった三日で左遷されたから。
 ゆえに、その後釜に据えられるべく、俺が団長の小姓となる任を受けたというワケだった。――まあ、きっと、他に空いている適当な人間が居なかったからだろう。


 だから……俺が団長の小姓になったと知られている以上、男色関係を持ったところで、それは当たり前のことなのだ。
 ここでは当たり前のように行われている、上官の性欲処理、ただそれだけのことにすぎない。
 とはいえ……団長の男色趣味は、団内では知らぬ者などいないほどに有名だった。それも“真性”として。
 つまり、女じゃなく、男にしか勃たない部類の人間、ということで。
 なおかつ、その好みとやらが、ワーズいわく『デカくてゴツくて、いかにも男! ってタイプの男に突っ込むのがダイスキらしいんだよね。女顔のナヨっちい美形なんて歯牙にもかけないそうだから、相当だよね。そういう、ガタイが良くて無駄にプライド高くて絶対に服従なんてしなさそうな男らしーい男をムリヤリ組み敷いて屈服させるのがタマラナイ、んだってさ』、とのこと。
 ワーズが、そうアクスに語っていたのを、俺も横で聞いていたのだ。


 トゥーリ・アクス。――入団早々に左遷された、団長の小姓だったヤツ。
 この近衛騎士団で同期として顔を合わせる前から、俺はアクスとは面識があった。まだ騎士となる前の任地で、所属していた部隊が一緒だったことがあったのだ。
 だからこそ、ヤツの強さも、その人柄も、わりと知っている。
 ――根っから女好きなアイツにとっちゃあ、そりゃー耐えられなかっただろうさ。
 いかに団長とはいえ、所詮ただのオッサンだしな。相手がそれでは勃つものも勃たない、ってーモンだ。
 確かにアクスは、団長好みの男だったかもしれない。――デカくてゴツくて、いかにも男! ってタイプだし、女顔の美形でも無いし、誰に対してもそう簡単には服従なんてしない意志の強さも持っている。
 しかし、それが徒となってしまったようだ。
 部屋に呼ばれ、小姓としての夜の勤めを強要され、やはりどうしても受け入れられなかったのだろう、団長の急所に噛み付いて怪我を負わせてしまったらしい。
 それで、アッサリ左遷だ。
 しかも左遷先が、よりにもよって『軍人の墓場』なんていう二つ名のあるカンザリア要塞島。仮にも騎士であるものを、そんな場所へ送るだなんて……徹底的に潰してやるとばかりの処遇じゃないか。


「本来、頑として突っ込む側だった人に、逆に突っ込んじゃったんだよ君は? そんなもの、噂にならないハズがないじゃないか」
「…てか、何でそれが知られてんの? 別に俺、誰にも言った覚えなんて無ェんだけど」
「そんなの、部屋に入れば丸わかりでしょーが」
 翌朝、俺ではない別の小姓が、団長を起こしに行って発見してしまったのだそうだ。その、ケツ穴ぐっじゅぐじゅにして寝台の上に全裸でぐったり伸びていた姿を。しかも、腰ガックガクで立ち上がれもしなかったという有様では、何があったからこうなったのかも一目瞭然、てところか。
 その晩、俺が団長のもとに呼ばれたことは夜番の担当が知っているところであるし、そうなれば当然、それをした相手は俺だと、簡単に想像もつくだろうさ。
 そこまで言われてしまえば、噂になるのも仕方ないことかもしれないな。
「アクスのこともあったし、君が団長を良く思ってなかったのは知ってるけどさ……」
 それにしても限度っていうものがあるだろう、と、まさにうんざりといった風を隠しもせずにワーズが言う。
 それを、俺は鼻で笑い飛ばした。
「限度……? あれしきのこと、生ぬるい限りじゃないか。報復にさえ当たらないだろ」
「――聞くのが怖い限りなんだけど、あれのどこが報復じゃないって……?」
「気持ちよくさせてあげたうえに、新たな扉まで開いて差し上げてやったんだから、感謝くらいしてもらってもいいんじゃね?」
 言った途端、ワーズが心底イヤそう~な“聞かなきゃよかった”という表情になって、俺を見やる。
「とにかく俺は退屈なんだよ。アクスも居ないしさ」
 彼のことを、俺はわりと気に入ってたのだ。――というか、ぶっちゃけ自分と対等な勝負が出来るのは、あいつしかいないと思ってた。
 近衛騎士は王の親兵であることから、その多くは貴族出身者ばかりで固められている。平民にとっては狭き門このうえないが、とはいえ儀仗騎士の役割をも兼ねているため、ある程度の実力さえあれば、家柄問わず見目の良い若者から選ばれるようにもなっている。
 だから、ここの同僚は、そこそこ腕の立つ見た目もさほど悪くはない貴族出身者が大多数で、残りは、俺のような見目麗しい平民出身者、っていうところだ。騎士の資格を得られているくらいだから、皆ある程度以上には腕の立つ者たちではあるのだが、それでも滅法の使い手までは、そうそう居てくれやしない。
 腕も美貌も、ついでに出来のいいオツムまで兼ね備えているのなんて、この俺くらいしか居ないのだ。
 アクスは、そんな俺に唯一張り合えるだろう逸材だったのに……それを、あのクソ団長、つまんねーことさせて飛ばさせちまいやがって。
 意趣返しの一つや二つ、してやりたくもなるくらいには、俺は怒っているのだ。あれしきのことくらいで気が済むはずもないだろうが。
「退屈しのぎになってくれるんなら、たとえ団長のケツだって喜んで掘ってやるよ」
 言ってやったら、「やっぱりか」と、もう何度目かもわからないタメ息を、これみよがしに深々とワーズが吐き出す。
「さすがに最後まではヤっちゃいないよね? という、僕の心底からの希望的観測を返せ」
「知るか、そんなことまで」
「ああ、もう……今度から団長を見かけるたび、これがセルマに掘られた男、とか思っちゃうじゃん……」
「好きに思えよ。――そりゃーもう、ずっこんばっこん、ガッツリ掘らせていただきましたとも」
「聞きたくもないし!」
 再びツッコミ裏手パンチを繰り出してきたその手で、ワーズが自分の額を覆うや、もうヤダ…などと小声で呟きながら天井を振り仰ぐ。――オーバーだな、やることが。
「何が悲しくて男同士のずっこんばっこんとか、聞かなけりゃならないの……!」
「なんだよ、自分から話振ってきたくせに」
「うるさいよ、諸悪の根源」
「あ、でも、誤解すんなよ? 別に俺、団長の身体になんざ、コレッポッチさえもハマっちゃいねーから。ただの性欲処理に使ってやっただけで……」
「聞いてないよ、そんなことまで!」
 ああもうセルマがいぢめるー…と、終いにはくの字に身体を折り曲げて頭を抱え込んでしまったワーズの背を、よしよしとばかりに、俺は軽くさすってやった。
「長い人生、そりゃ色々とあるよなあ……」
「そんな他人事みたいに……」
 恨みがましくこちらを向いた彼は、もはや涙目で、唇を軽く尖らせてみせた。
「そうでなくても、君みたいな美形は厄介事を引き寄せやすいっていうのに……これ以上、自分から増やしてどーすんのさ?」
 ワーズが心配してくれる気持ちは有り難いと思う。素直に思う。
 俺みたいな女顔で見た目ナヨっちい美形は、軍なんかじゃ常に“公衆便所”扱いされ易いからな。コイツが心配してくれているのも、そこなのだろう。
 実際、入団当初の俺が誰の小姓にも付かなかったのは、そういう意味だったのではないだろうかと、薄々予想も付いている。――扱い易そうな美形は皆で共有しましょう、っていう暗黙の了解。…みたいな?
 じゃなきゃ、こんなにも美しい俺が誰のものにもならないなんて、あるはずもないだろう。これまで、どんだけの上官に囲われてきたと思ってるんだ。
 だから俺は、見た目ほどそうヤワじゃない。
 襲いかかってくるヤツがいれば、あしらって一緒に楽しんでしまえる余裕もあるし。どうしても気が乗らなければ、叩きのめせば済むことだ。着痩せする見た目の所為で大抵が俺をナメてかかってくるから、返り討ちにするのも簡単だったらない。――仮にも騎士にまでなる人間が鍛えてないハズもないだろうに。世の中ホント馬鹿ばっかりだ。
「大いに結構じゃねーか。厄介事くらい、ヘでもねーよ」
「…そうだろうね。君ならね」
 もはや諦めの境地に達したらしいワーズが、はは…と乾いた笑いを浮かべつつ、それを返す。
「だって君、今や皆から何て呼ばれてるか知ってる?」
 今回のコレで決定的だよね、と、言ってそれを告げたのだ。


「『魔性の男』エイス・セルマ。――ピッタリじゃない? 今の君に」





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