初恋

藍沢咲良

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二人の明日 9

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午前10時に駅に着いた。
美和の住んでいる市は新幹線が止まる。

新幹線の改札口の近くで、彼を待つ。

改札の向こうに彼の姿が見えた。

二人は合流しても、言葉がしばらく出なかった。

「……会いたかった」

「……俺も」

美和は一ノ瀬の服の裾を掴んだ。

一ノ瀬は美和を抱き寄せた。

「…一ノ瀬くん…。」

「…ん?」

「ちょっと…視線が痛いです…」

通行人が抱き合う二人に向かって無遠慮な視線を投げかけていた。

そっと体を離し、手を繋いで歩き始めた。

行き先は美和の家だ。

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