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Epilogue 6

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──side 英


梨愛ちゃんの結婚式、素敵だった。しかし二次会の顔ぶれは披露宴よりも更に華やか。梨愛ちゃんの周辺、顔面偏差値インフレしてる。

「美男美女……」
澄麗がシャンパン片手に少し遠い高砂にいる梨愛ちゃん夫妻を見て、ほう…と息をついた。
「幸せの塊、だね」
お式直前まで梨愛ちゃんのお兄さんであるところの朔さんを宥めていた碧。「いつまでもかまうと甘えるだけだから」と披露宴と二次会は朔さんを放ったらかしにしていた。飴と鞭の使い手だったのね。私は時緒に対して基本的に甘いから見習わないとだな。

「みんな!今日はありがとうね」
角テーブルの招待客が順番に、空気を読みながら梨愛ちゃん夫妻と写真を撮っていた。やっと私たちも近づくことができた。

「梨愛ちゃん!幸せそうで良かったよ」
澄麗が梨愛ちゃんのグラスにシャンパンをさりげなく注いだ。
「花嫁さん、全然食べれてないよね」
花嫁あるあるなのか、主役である梨愛ちゃんは全然お皿にある料理に手をつけていなかった。招待客の相手をするのに忙しいとこうなる。
「食べる暇がなかなかね。でもこのシャンパンだけは飲む!」
「空きっ腹じゃん。梨愛、少しでもお腹に入れて?」
碧の勧めで梨愛ちゃんはオードブルを口にした。

「シャンパン、皆さんもどうですか?」
満紘さんが私たちのグラスをスタッフに用意するよう言ってくれた。私のグラスにもシャンパンが注がれた。

「乾杯しましょうか」
満紘さんが写真を撮ろうとした私のスマホをスタッフに預けてくれた。
「梨愛ちゃんと満紘さんの結婚に」
乾杯!と口にしようとした私を梨愛ちゃんが制した。
「待って。みんなだって、それぞれ幸せじゃん?」
互いの顔を見た。そうじゃん。私と時緒。澄麗と匠さん。碧と朔さん。そして、梨愛ちゃんと満紘さん。

「じゃあ、俺達夫婦と、皆さんの幸せに──乾杯!」
乾杯!その言葉と共にシャッター音が賑やかな会場に響いた。




fin.





Copyright(C)2023-藍沢咲良
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