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tentations[トンタシオン 〜誘惑〜] 4
しおりを挟む「でもこのまま東京について行くのは不安があり過ぎるよね」
スンドゥブの熱いスープを躊躇い無く真夏に飲む碧って本気でスンドゥブが好きなのか、よっぽど身体を温めたいのか。美容的には温めた方がそりゃ良いに決まってるんだけど。
碧のお肌が前よりも潤ってる。というか、艶が出たというか。これがどんな美容液にも勝る「恋の効果」というものなのかな。その原因を作ったのが自分の兄貴だということが複雑な気分過ぎる。
「そうなの。向こうに友達とか、ほぼいないし。仕事も辞めたくないし」
「遠いからね。ていうか仕事辞めてついてくなら、イコールそれは結婚なの?」
「え、梨愛プロポーズされてた?」
「梨愛ちゃん、プロポーズがあったかどうかは非常に大事なポイントなんだけど……」
プロポーズ……あったような。そういえば「結婚は、ハードルが高いか?」って言われてた。
「プロポーズ、あったといえばあった、かな……」
「何そのモヤッとしたやつ」
「はっきりして欲しいやつじゃん、それ。梨愛ちゃん、どう言われたの?」
「結婚は、ハードルが高いか?って……」
「「ああー……」」
2人して苦笑い混じりのため息が出た。え、苦笑い?
「彼氏さんは結婚したいわけね?」
「でも梨愛がまだ結婚したくなさそうに見えた……ってとこか」
満紘に対して気の毒そうな顔を2人揃ってされると、私も私で複雑な気分になる。
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