ドリンクバーさえあれば、私たちは無限に語れるのです。

藍沢咲良

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縁 2

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「お母さんは…いつ頃、亡くなられたの?」
「小学生…五年生のとき、だったかな。しばらく学校、通えなかったよ」

テーブルにお皿を並べている最中だった。今日は時緒のリクエストでハンバーグだった。ポテトサラダもリクエストされたけど、仕事の後にじゃがいもを大量に茹でるのはしんどかったからコブサラダで何とか納得してもらった。

いつも飄々としている時緒の目は、最愛の母にはもう届かない、心細さを抱く少年そのものだった。

気が付いたら時緒を抱き締めていた。そうせずにはいられなかった。

「……英、今は大丈夫、だから」
「うん。ねぇ時緒」
「ん?」
「私、ずっと側にいるから」

目を見開いた直後、時緒は破顔した。

「ありがとう。じゃあもう、食べていい?」
「あ、冷めちゃうね」
「じゃなくて。英の方」
「え」
「俺、今英とすっごいくっつきたい気分」
「んっ…」

深い、優しいキスが降ってきた。何度も何度も、角度を変えて。私の脳の奥がじんと痺れていく。

「英のその、とろんとした顔。俺、好き」

エプロンの上から膨らみをなぞられる。すぐに先端を見つけてしまうのは…もうこの人の特技と化しているのではなかろうか。

「英、ここ摘まれるの、好きだろ」
「そ、んな…」
「摘んで欲しいって、言ってみろよ」
「言、わない…」
「言わないと、もう摘んないよ?」
耳元に時緒の息がかかる。いつもより甘い低音が麻薬のように、私をおかしくさせていく。
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