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疑惑 2
しおりを挟む最近は会う度に抱かれている。
抱かれている最中、時緒の素の表情が時折り見える。何かに縋っている、縋り付きたそうな、不安そうな表情。
時緒は何も言わないけれど。きっと何かを恐れてる。それが何であるのか、言葉にして教えてくれることは無い。
簡単に聞いちゃいけない気がする。時緒が自ら口にするまで待っていた方がいい気がする。
それとは裏腹に、「どうしたの?」「何かあった?大丈夫?」という言葉を彼は待っている気もする。
聞くにしても聞かないにしても…。いずれ何かを知ることになる。そしてそれは、碧からではなくて時緒本人の口から聞きたい。
であれば…。やっぱり聞くしかない。
情事の後、時緒の胸筋を枕にしてまどろんでいた。いつも、した後は眠くなる。でも今日は。時緒に聞かないと。
「ねぇ、時緒」
「ん?」
「あの…もしかして、なんだけど…」
「どうした?もっかいする?」
言われたと同時に視界が反転した。与えられる口づけが止まらない。今日はちゃんと、聞かないといけないのに。段々と深くなる口づけが、私の判断力を奪っていく。
「待っ…て、とき、お…」
「待たない」
「ねぇ、待って……ふ、あ…‼︎」
唐突な快感に思考が持っていかれる。時緒の指が茂みの中を探っていた。
「ここは待って欲しくなさそうだけど…?」
不敵な笑みが私を見下ろす。私はどうしても、この人には流されてしまうみたいだ。
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