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14.
しおりを挟む「舞は座ってて。私、ちょっとスタッフに聞いてくる。唯、受付そのままお願いしていい?」
「うん。ありがとう」
確かに、ちょっと喉が渇いていた。ひっきりなしに訪れる招待客にテンプレート化された挨拶をしまくっていたら、そりゃ喉ぐらい渇くよね。
杏果が珍しく怒りを抑えた顔で戻って来た。
「どしたの?」
杏果がこんなに怒ってるの、珍しい。
「今スタッフに受付やってる私達用にドリンクを頼んだらさ」
「うん」
「すっごい嫌そうな顔で応対された」
うわー。マジか。
「客商売なのに、そんなことあるんだ」
椅子に座る舞が目を丸くした。
「私、帰っていい?ていうかみんなで帰ろ?」
「きょ、杏果……。一回、落ち着こう?」
杏果、ずっと色々と我慢してたんだろうな。式場のスタッフですら紗香がするみたいな対応をするって。それを喰らった杏果も気の毒だけど。
「気持ちは分かるけど。でも杏果、それやると変に目立つし、私達が悪者にされるよ?」
「でもさあ舞。そもそもこの受付の場所だって、ほぼ外なのにストーブすら用意されてないんだよ?妊婦さんがいるのに!何なのこの式場!私絶対ここでは式挙げない!」
舞に諭され、私に宥められ。杏果は渋々、私達と一緒に式場へと向かった。
式場を見た私達は驚いた。
なんと紗香が選択した式は真冬のガーデンウェディングだったのだ。
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