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紗香の結婚式当日。余興の話を聞かされた当初は秋のお式のはずだったんだけど。何がどう変わったのか。今日は12月の第2週だ。

「紗香、誕生日が12月だから12月にしたかったとか?」
「……理由はよくわかんないけど、予約取り直して12月にしたって言ってたよ。それ絡みの愚痴もすごくて……」

ため息混じりに語る杏果は、多分私よりも紗香を嫌がっている。愚痴の聞かされ役は相変わらず杏果なのね。

「ところで舞、どうしても今日、薄着だけど……。大丈夫?」

何と舞は、一緒に大阪に長期出張に行っていた上司と入籍していた。彼氏がいるとは聞いていたけど上司だったとは……。

「なかなか報告するタイミングが無くて」って恥ずかしそうに言っていた。いやいやいや、タイミングはあった。紗香のジャイアン並みの愚痴リサイタルがもう少しだけ控えめであれば。

そして舞のお腹には新しい命が。結婚するつもりではあったみたいだけど、プロポーズよりも先にお腹にやってきてくれていたようだ。

「ストールにカイロ貼ってあるから大丈夫」
微笑む舞は、受付業務もそつなくこなしていた。私は受付頼まれてなかったけど、舞と杏果が受付にいるから、結局私も一緒に受付業務をすることになった。

招待客にはウェルカムドリンクがあるらしい。

「ねぇ、私達も招待客、だよね?」
「うん」
預かったご祝儀をテーブル下の紙袋にそっとしまってまた立ち上がる。杏果、何か気になることあるのかな?

「私達、ウェルカムドリンク貰ってなくない?」
「確かに」
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