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ゴールまで、あと少し?
しおりを挟む「なかなか、プロポーズしてくれないんですよねぇ……」
ランチセットに付いていたコーヒーを口に運んで一口含んだ彼女は、カップを戻すとともに軽いため息をついた。
「かすみんは綾瀬くんと結婚したいの?」
そもそも、かすみんの結婚願望があるかどうか、という問題だ。頻繁に飲んだりランチしているが、彼女の口から「結婚したい」という意味の言葉を聞いた覚えが無かった。
「んー……そうですねえ」
「その、かすみんが結婚したいタイミングがそもそも今なのかな、なんて」
「急いでは、ないんですけど」
「けど?」
「唯先輩と星宮さんの勢いに乗って、綾瀬くんと結婚するのもアリかなって」
勢いか。確かに、私が怜との結婚を決めたのは、ほぼ勢いだ。怜本人が「俺、重いかな」って婚約前に悩んでいたぐらい、すごく大事に愛してくれてる。
「勢い、大事かもね」
「でしょう?でも綾瀬くんには勢いをあんまり感じなくて」
「うーん」
「私だって、唯先輩みたいに愛されたいんですよ。星宮さん、しょっちゅう綾瀬くんに惚気てるみたいだし」
惚気てるのか。反応に困るな。
……ん?というか。かすみんは、未だに綾瀬くんのこと、綾瀬くんと呼んでるの?だとしたらまだ色んな距離があるんじゃ……
「ねえかすみん。綾瀬くんのこと、普段どう呼んでるの?」
「綾瀬くん、ですよ」
「名前で呼ばないの?」
「彼が、綾瀬くんって呼んでって言うから」
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