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6.
しおりを挟む「当然の発想ですよ。むしろぬるいくらい」
「そ、そう……?」
かすみんとのランチ。彼女には以前から女子会の、特に紗香のことについて相談……というより、愚痴を話していた。かすみんにも映美と同様、「何でまだ付き合い続けてんですか」と呆れられていた。
「スピーチと受付を今までの復讐と言うには甘過ぎます。もっとすんごいことやったらいいのに」
「え。すんごいこと、とは……」
女子力偏差値高めの彼女の言うすんごいことって、どんなのだろう……?知るのがちょっと怖いような……。
「合コン開いて先輩が独り勝ちするとか?」
「それは怜が嫌だと思うから無し」
「んー……じゃあ、SNSで今までの悪行晒すとか」
「それ、私の個人アカウントもバレるやつ」
難しい顔してかすみんは考え込んだ。「それもダメか……でも……」と呟きながら仕事モードに近いぐらいの集中力を発揮している。
「披露宴でスピーチ依頼するんですよね?スピーチ直後に絶縁宣言してやるとか?」
その発想は無かった。ドロドロ系の漫画ならありそうだけど、現実世界でやったら大騒ぎだ。
「できれば披露宴は平和にやりたくて……。他の女子会メンバーが同じテーブルで相当困ると思う」
「むう……じゃあやっぱり、絶縁は結婚式よりも後、ですか」
「そうなるね」
ランチについていた食後のコーヒーを一口啜った。ほぼ同時にコーヒーに口をつけていたかすみんは変わらず難しい顔をしながらため息をついた。
「先輩の絶縁宣言、生で見たかったんだけどなあ。ねえ先輩。勿論私と綾瀬くん、呼んでくれますよね?」
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