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5.
しおりを挟む晩御飯はこれでもかと豪華な食材が出てきた。私、この旅行で確実に体重増えてるな。
「お腹、いっぱい……」
「唯、もう一杯飲む?」
「んー……飲めそうな気はするけど……」
この後睡眠が問題無く取れるなら飲んでもいいけど。でも「おやすみなさい」って眠るのもちょっと寂しいような。さっきあれだけ激しく抱かれたくせに、私もどれだけ性欲あるんだか。違う。性欲じゃない。甘えたいだけ。怜にくっついて眠りたいだけ。怜はそれだけでは容赦してくれないけど。
「外、出てみる?」
この部屋にはウッドデッキがある。あるのは気付いてたけど、外にまだ出ていなかった。
「お酒持参?」
「ん」
「いいかもね」
ビールを片手にふらふらとウッドデッキに出た。函館の夜景が小さく見える。宝石箱をひっくり返したようで、きらきらして綺麗だ。
少し寒くてガーデンテーブルにビールを置いて腕をさすった。
「寒い?」
「ちょっと」
背中や腕が怜の体温に包まれた。左手を取って、薬指にすっと指輪をはめられた。
「指輪……?」
「唯」
ダイヤが煌めく左手の指先をそっと取られる。顔を上げると、真剣な表情の怜と目が合った。
「俺と結婚、してくれる?」
「……はい」
強く抱きしめられた。私も、怜を抱きしめた。出来るだけ、力いっぱい。
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