27歳女子が婚活してみたけど何か質問ある?

藍沢咲良

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8.

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「寒い?じゃあやっぱり部屋の温泉に」
「信号変わった!行こう?」

一瞬の苦笑いを華麗にスルーして、怜の手を引っ張った。

レンガ倉庫の中は暖かい。カフェ、魚介を売るお店の前をふらふらと歩いた。大きなガラスミュージアムショップが目を引いた。

「ここ、見ていい?」
「ん。入ろうか」

レトロモダンな雰囲気が漂う店内。アクセサリー、ガラスビーズ、ガラスのミニチュア、ガラス食器や雑貨がずらりと並んでいた。

「可愛い……」
深海ブルーのとんぼ玉1粒ピアス。ドロップ型のカクテルガラスピアス。目移りしつつ、手に取った。

「似合いそうだな」
「んー……どっちにしようか迷う」
「どっちも買っちゃえばいい。貸して?」

手早く私の手からピアスをさっと奪うと、そのままレジに向かった。

「怜、これぐらい自分で」
「いいから」

買ってもらっちゃった。そういうつもりでは無かったんだけど。

「ありがとう」
満足そうに包装された小さな紙袋を手渡してくれた。
「これから、増やしていこうな」
「増やす?」

怜の顔を見た。目を細めた彼は落ち着いた、その大好きな低い声で私に告げた。

「俺と一緒に旅先で買い物して、思い出の品を増やしてくってこと」
「思い出の品……いいね」

怜に買ってもらったピアスを斜めに掛けていた鞄にそっとしまった。これで、思い出の品が一つ増えたということだ。

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