27歳女子が婚活してみたけど何か質問ある?

藍沢咲良

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7.

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「あるよ。どうして?」
「だ、だから……その、怜、近いから」

こういうとき、いつも怜は飄々としている。余裕を無くしているのが私だけなのが、悔しい。

「近いと何かまずい?俺たちしかいないんだからいいじゃん」
言いながら、腰に手を回され、怜の腕の中にすっぽりと入れられてしまった。ねえ、私達、今から観光するんだよね?観光したとして、晩御飯の時間に間に合わない予感でいっぱいだ。

「それとも、部屋の温泉入っとく?温泉入ったら多分観光できないけど」
「か、観光、しよ?折角北海道まで来たんだから!」
怜の顔を見上げて懇願する。このまま部屋の中で、露天風呂で、何度も食べられる未来がもう既に見えてるけど、晩御飯前からその調子じゃ、私の身体がきっともたない。

「俺は温泉でもいいんだけどな。北海道は、これから何回でも来ればいいんだから」
「何回でも来られる距離じゃないでしょ?ね、私、怜といつもと違うところでデートしたいの」
「デート……そうだな」

少々不満気な怜を強引に説き伏せ、私達は何とかホテルの外に出た。

ホテルから歩いてすぐの信号で止まる。もう視界の中には港の風景。私たちの住む水無瀬市とは違って、もうここは風が冷たい。自然と、繋いでいた手から更に腕までくっついた。

「唯?」
「やっぱり、こっちは寒いんだね」
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