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7.
しおりを挟む乗り換えの駅で女子会メンバーと別れた。私が一人暮らししていたときとは違う方面に向かったからか、紗香の目付きが鋭くなっていた。でもそれには触れない。触れた日にはもう、30分以上更に時間を食ってしまう。舞と杏果だけだったらもう一軒行ってもいいけど、紗香も込みならご遠慮申し上げたい。
そうか。紗香抜きか。紗香抜きの女子会、すっごい楽しそう。杏果に提案してみようかな。でも舞は難色を示すだろうな。どんなに紗香が暴言を吐こうが、理不尽な提案をしても、何とかして場を保とうと頑張るのは、いつも舞だ。舞という潤滑油がいなかったら、この女子会はとっくに疎遠になっていただろう。
そう。舞は4人揃った女子会を望んでいる。でも、毎回杏果が紗香の理不尽さに耐えるのも、正論吐いて私が悪者になるのも、舞が潤滑油として必死に頑張るっていうのは、違うと思う。頑張らないと続かない関係は、友情でも何でもない。
しかし疲れたな。本音を言うと、私、女子会に参加するのはだいぶ億劫だ。原因は言わずもがな、紗香だ。参加する度にものすごくイライラして、ものすごく疲れを感じて帰ってくる。
改札の向こうに怜の姿が見えた。怜は私が女同士で飲みに行くと、毎回当然のように駅までお迎えに来てくれる。本当に、出来た人だと思う。
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