174 / 244
5.
しおりを挟む理不尽なディスりを受けて黙っているとでも思っているのか。紗香のディスりは通常運転だ。むしろディスりが無い日はこちらがびっくりしているぐらいだ。
紗香のディスりに面と向かって反撃し、その後の泣き落としが面倒くさ過ぎてディスりをスルーしてきたこの女子会。ディスりの被害者は、紗香以外の全員だ。舞と杏果には申し訳ないけど、最近私は紗香と縁が切れても問題無いと思い始めていた。
「紗香」
舞と杏果が驚いた顔で私を見る。私の次の言葉を恐れているのだろう。でもごめんね。もう私は紗香と友達を続ける義理はないと思っているの。
「何?幸せなんだから何言われても問題無いでしょ」
ディスっといて更に睨みつけるとは。不快を超えて感心だ。こんな人種、世の中にいたんだ。それを野放しにしてた私達3人の罪って、重いよね。
「不愉快以外の何ものでも無いよ。自分が彼氏と別れたからって、八つ当たりされる義理は、私には無い」
極めて無表情で、言ってのけた。言葉を浴びた紗香本人はというと、謝罪をする空気は全く醸し出さず、ご不満そうに私から視線を逸らした。舞と杏果は……石化してるな。ごめん2人とも。私、もう我慢ならないんだ。
あー……帰りたい。帰りたいけど、残された舞と杏果が可哀想。私だけが帰った後、紗香の悪態を聞かされるんだろう。
この性格だ。きっと振られたんだろう。あれだけ結婚にまつわる儀式に詳しいということは、あの分厚い結婚情報誌を隅から隅まで読んでいたに違いない。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
21
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる