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しおりを挟む「そ、そう、だったね。でもさ。私はそうは言ったけどさ。怜だって、あっさりと結婚を受け入れ過ぎじゃない?」
30歳、士業の無双イケメン。寄ってくる女なんていくらでもいたでしょうに。
「その、怜だったら、私なんかじゃなくて、もっと若くて可愛い子とか選べたんじゃないかなって」
「何言ってんの?」
真顔で私の顔をじっと見る。ちょっと怖い顔してる。私、まずいこと言ったかな?……って!今この人運転中!
「怜!前向いて!」
「大丈夫」
怜の部屋のあるマンション──今は私の部屋でもある──の駐車場に着いていた。器用にバック駐車をすると、怜は再び私に真顔で向き合った。
「……俺の愛情、まだ足りてないの?」
「た、足りてない、とかじゃなくて」
「どうでもいい若い女とか、どうでもいいの」
私の肩を抱き寄せて、怜は唇を重ねた。柔らかい感触が、次第に私の脳の奥を麻痺させていく。
「……ん、っはあっ……」
「他の女はどうでもいい。唯のこの、甘い声を、他の誰にも聞かせたくない」
私の腰を、背中を撫でる大きな手が、長い指が、私の全身を敏感にしていく。声が、我慢出来ない。この人の手に教育された私のこの身体は、もう、この人の思い通りにしかならなかった。
「……ね、怜……もっと、触って……?」
目が、ちゃんと開かない。身体の奥の熱が疼きだす。下腹部の奥が辛くなってきた。早く、この人に触れられたい。
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