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3.
しおりを挟む「いいじゃない。お父さんオッケーしたんだし。どっちにしろそのうち籍入れるんでしょ?」
「その可能性は……高いけど。でも」
父のビールと怜のコーラ。つまみに枝豆。まだ外は明るいのに晩酌を用意する母は私の顔を見ると真顔になった。
「あのね、唯。これ、男女逆だったら印象最悪だったんだよ?」
「え?何で?」
印象が最悪って、どういうこと……?
「唯は怜くんと同棲して、お試し期間を経てから結婚を考えたいんでしょ?」
「そう。その話をしに来たの」
「それは唯の意思だったから我が家は問題無かった。でも、これが怜くんの御家族だったら何て言うかな?」
怜の家族だったら……?お試しって、何かまずい?
「手塩にかけて育てた我が子と結婚するのに、お試しがしたい。でも試して嫌だったら別れます。唯が言ってることって、親からしたらこう聞こえるんだよ?」
「そ、そう、だけど……。でも、生活して、合わないことだってあるじゃない」
生活が合わないのを気付いているのに、それを気付かなかったことにして結婚することは出来るかもしれない。でも、それがずっと続いたらどうだろう?
「そういうことはあるかもしれない。唯はこれから怜くんと一緒に暮らして、何かしら合う合わないって事が見えてくると思う。どうしても受け入れ難い事があるなら、そのときはお別れしてもいいと思う」
「じゃあ、私の言ってることは問題無いじゃない」
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