27歳女子が婚活してみたけど何か質問ある?

藍沢咲良

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7.

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「今日からここが、唯の家な」
「……急だね」
「運命とは突然訪れるもんだろ?」

さっきからずっと口角が上がりっぱなしの怜は、ふと立ち上がるとキッチンに消えた。

缶ビールを2つ手にした彼は、もう既に湯気が消えたカフェオレの入ったマグカップの、その隣にそれを置いた。

「ビール?」
「乾杯しよ」
「同棲開始記念?」
「同棲と、俺たちの結婚するという未来に」
「……プロポーズ、これ?」

怜はきっと夜景の見えるレストランとかで婚約指輪の箱をパカッと開けるかシャンパングラスにダイヤの指輪を入れちゃう人だと思っていた。

「ちゃんとしたやつは、また後日改めて、な」
「期待してます」

ローテーブルに置かれた缶ビールを手に取って怜に手渡す。

「私が感動して泣いちゃうぐらいのやつ、待ってるね?」
「考えとく」

怜が長い指を缶ビールのプルタブに引っ掛けた。プシュッ!といい音がする。続いて私もビールを開けた。

「じゃあ唯。これからよろしく」
「ん。よろしくお願いします」

缶ビールを軽く合わせる。ここでグラスにビールを注がないのが私たちの日常ぽくて良いのかもしれない。

結婚を前提とした同棲が始まった。記念すべきその瞬間とは、今、この瞬間かららしい。

本格的な引越というものは今日の今日では無理がある。不動産会社に退去の連絡だってしないといけないし、諸々の手続きがある。

ここで本当に暮らしていくのに最低限必要な物を、近いうちに怜と取りに行こう。





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