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7.
しおりを挟む「しつこいのは貴方の方でしょう。話し合っても無駄なようですね。では」
ため息混じりに話を切ると、怜は健二の後方に向かって軽く手を挙げた。
いつの間にこちらの様子を把握していたのか。警備員が2人、健二の両側についた。
「な、なんだよこれ」
「話が通じないようですので。警察に一緒に行くか、大人しく帰って妻には二度と近付かないか。どちらが宜しいですか?」
「頼まれなくても近付かねえよ。おい唯、これで済むと思うなよ」
「やはり警察に行きましょうか。お願いします」
警備員が健二の両腕をがっしりと固定した。
「じょ、冗談だよ!離せよ」
「もう妻には近付かないと誓って頂けますか?」
「ち、誓うよ。もういいだろ?」
「書面にしましょうか。ちょうど良い。このビルに私の所属する事務所がありますので、このまま誓約書を作成しましょうか」
せ、誓約書って言った……?何やら話が大ごとに……?
「りょ、怜……?」
「唯。疲れてるところ申し訳ないが、うちの事務所まで一緒に来てくれないか?当事者がいないと書面は作れないんだ」
健二に付き纏われた結果、私、怜の職場に行くんですか……⁈職場の人の私に対する印象、決して良くないような……。いやそういうの気にしてる場合では無いのかもしれないけれど。
「申し訳ないのですが、彼が信用できないので事務所までそのままお願いできますか?」
「勿論です」
2人のうち、より屈強な印象の警備員さんが答えた。
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