27歳女子が婚活してみたけど何か質問ある?

藍沢咲良

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「キモいって……いやいや、唯、ベタ惚れの俺に対してキモいとか。日本語そんなに下手だったっけ?」
「くっっっそキモい」

今度は言葉に力を込めた。心を込めてを強調して差し上げた。だってキモいんだもん。何この妄想モンスター。

私は未だ、職場のビルの一階で足止めを喰らっている。私からキモい発言を喰らって目が点になっている、この健二のせいで。今日これから私は、定時に仕事を終えたという自由を謳歌するはずだった。何なら駅前のデパートでふらふらしようとしていた。

なのに何だ今の有り様は。私の自由が妨害されている。それも健二のせいで。

だんだんと、沸々ふつふつと怒りが沸いてきた。何なん?こいつ。勝手にやって来て人の足止めして自由を妨害して。そもそも自分が浮気したから私と別れたんだよね?

「私の部屋にあった物はもうとっくにゴミの日に出しましたのでありません」
「え、ひどくね?俺の物、勝手に捨てたの?」
「浮気はするし金の無心はするし何なら500円玉貯金までパクった人が何言ってんの?」
「そ……それはそれ、だろ?」
「は?」
「人の物勝手に捨てるとか有り得ないだろ。やっぱり唯は、俺が教育し直さないとな」

健二は話をすり替える天才だ。でも今日はそうはさせない。

「そもそもこの時間にいるっておかしいよね?仕事は?まさか辞めたとか?」
「あ……ええっ、と……」

健二の目が泳ぎ出した。
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