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健二と目は合わせたくない。でも凝視してしまう。今度は恐怖ではない。ただただ驚いている。だってまさか、2日連続でストーカー行為してくるだなんて。やっぱ暇なんだこの人。
 
「俺がいるかもって思ってた?だから今日早いのか」
誰かこいつを黙らせて欲しい。まだ18時過ぎ。このビル内には、今も仕事を頑張っているであろう怜も、昨日迷惑かけたかすみんも綾瀬くんもいるというのに。

この害虫駆除をする義務があるのは私だ。速やかに撤去せねば。

「何か用ですか」
営業スマイルは封印。そうでなくても、真顔しか出てこない。

「何だよ敬語?水臭いなあ」
「用が無いならお引き取りを」
「冷たいな。でもしょうがないよな、俺に振られたんだから。唯の性格上冷たい振りをするのはわかってるよ」

どなたか、このビル内に、ストーカーの言語が理解出来る方はいらっしゃいませんか……?いないのか。ですよね。この駆除作業は私がやるしかないのか。

「用が無いなら帰って頂きたいのですが」
「用ならあるよ」
「何」
「唯とデートするっていう用が」
「……キモ」

心の声が、つい、出てしまった。尚、私の顔は、とうの昔に引き攣っている。

「え?今なんて?」
「キモいって言ったの」

健二は大袈裟な仕草をして驚いた顔をした。海外ドラマでしか見たことない大袈裟な、両腕を肘を曲げて上げる、あの仕草だ。
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