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2.
しおりを挟む「は……ぁっ!」
「煽ったのは唯だろ」
荒い息を吐きながら、強めの口付けをくれる。
「はあっ…ん」
耳の軟骨を指先でなぞられ、ぞくりとして身体が震えた。
「ね、ハンバーグ……」
「無理。こっちが先」
後で温め直せばいいか。付け合わせのポテトサラダ、冷蔵庫から出し忘れていて良かったのかもしれない。シャワーのような口付けを受けながら、絡まるようにもたつく私達の脚は寝室へと向かっていた。
身体は許しても、心まで許してはいけないと思っていた。それが、伝わっていたんだろうか。「実は心は許してません」だなんて怜に直接言ったら間違いなく悲しそうな顔をされるか拗ねるぐらいのことはあるだろう。
心って、どうやって許すんだろう。健二のおかげで男性に対して警戒することに慣れ過ぎていた。心の開き方なんて、とうの昔に忘れていた。
「愛してる」
ベッドの中でバックハグをされている最中に考え込んだ私に、不意打ちの耳元での囁き。
えっ?今、愛してるって聞こえたよ?
「唯、愛してる」
私は、何を言えばいい?まだ私は「愛してる」まで辿り着いてないよ?
身体を怜の顔が見られるように向き直す。
「怜……」
私の次の言葉を待つ彼の表情は、やはり不安気だ。
「好き、だよ」
がっかりしないで。だってこんなに私を想ってくれる人相手に嘘は言えないの。
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