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しおりを挟む「──えっ?映美、どゆこと?」
「だから。私、工藤映美。モテ期到来しちゃったみたいです」
クラブハウスサンドイッチにピックが刺さっていて良かった。映美らしからぬ浮かれた物言いに、手にしていたクラブハウスサンドイッチが皿に落ちて無惨に解体される運命になるところだった。
映美の話を要約すると。やっぱり佐々木さんとのデートは最低で。逆にその勢いで結婚相談所とマッチングアプリに登録したらしい。
結婚相談所での面談はこれからだけど、マッチングアプリは登録した途端に『いいね』が殺到したらしい。
「見てよこれ。こんなにいいねされちゃってさ」
マッチングアプリというものを、私は初めてちゃんと見た。アプリでの出会いというものに、私は警戒心を持っていた。変な人に騙されるんじゃないか、とか、チャラい人に遊ばれて捨てられるんじゃないか、とか。
荒野さんの配信によると、やっぱりマッチングアプリってキャバ嬢やホストの営業やネットワークビジネスの温床みたいで。マッチングアプリで出会って結婚するって話は9割以上の屍の上で成り立っている、奇跡的な話なんだそうだ。
映美が確実にその奇跡を引き寄せられればいいけど。結婚相談所の方が安全な出会いを手に入れられるということは、火を見るより明らかだった。
さあ、このマッチングアプリにまつわる私の警戒心。浮かれまくってる映美に通用するんだろうか?
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