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3.
しおりを挟む「ふーん。彼氏できたんだ。早かったね。こないだ別れたばっかじゃない?」
土曜日の夜の女子会。付き合いたてで一緒にいたがる怜を宥めて、何とか来ることができた。
宥めるの大変だったんだけどな。紗香のこの雑な反応を喰らう為に私はあの労力を使ったんだろうか。「女子会終わったら俺の家に来るならいいよ」という、有無を言わさぬ甘い言葉が嫌だと思わないってね。私は怜の色に染められつつあるのかもしれない。
「ていうか婚活ってやつ?したの?」
安定の上から目線。マウントを取りたくて必死なのが見え見え。
「婚活ってロクなのいないって聞いたけど。そんな人で大丈夫?」
私は自然な形で彼氏作りましたよ、というディスり。長い腐れ縁のお陰で行間が読めて読めてしょうがない。紗香に関してなら現代文、全国上位入りレベルの偏差値が出るに違いない。
「婚活パーティーは行ってみたけど」
「やっぱりね。で、年収どれくらい?」
そうか。相手の年収で値踏みとマウントをしたいのね。
「でも彼、婚活パーティーの人じゃないの」
え、と口にしたまま固まった。折角マウント取ってディスれると思ったのにね。当てが外れてそれ以上言葉は出ないみたい。
「婚活じゃないなら、どうやって出会ったの?」
やっと杏果が口を挟んだ。キミの発言を待ってたよ。紗香オンステージな展開には、いい加減飽き飽きしてたんだよね。
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