27歳女子が婚活してみたけど何か質問ある?

藍沢咲良

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周知

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「──つまり、惚気ってことで、いいですね?」
「かすみん、あの、もちょっと優しい目で……」

ここしばらくの怜との出来事をかすみんに報告していた。というより、根掘り葉掘り聞かれていたと表現した方が正しい。

「これだけの内容だって知ってれば、ランチじゃなくて飲みで聞いたのに。これじゃあ私と綾瀬くんの進展の遅さが際立つじゃないですか」

何も言えない。私だって、短期間でこんなに怜と進展するなんて思ってなかった。何なら付き合った初日の夜の電話で喧嘩しかけていた。

怜のマンションから一緒に出社した日。通常では私が乗ってないはずの東山線の駅で、かすみんと目が合った。家にいた時から変わらず甘々モードの怜が隣にいることに気付いた彼女は、その場では声を掛けずに、会社のあるフロアまで追及を我慢してくれていたのだ。

それはイコール私と怜のやり取りを全部かすみんに見られたことになるんだけど。それはそれで複雑な気分……。

「遅い、わけじゃないでしょ。むしろ一般的というか」
「そうですよ。先輩達の進展が早過ぎるんです。で、いつ同棲するんですか?むしろ結婚?」
「かすみん、話が早い」
「その勢いだったらもう鍵渡されてるでしょ?」
「ゔぐっ……」
サラダのトマトが変な所に入った。ごほごほと咳き込みながら、かすみんの勘の良さに苦笑いしていた。

怜から預かった鍵を返そうとしていた。「それは……唯の鍵。持つのが嫌じゃなければ持ってて」と断固として受け取って貰えなかったのだ。
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