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しおりを挟む「唯がベッドの中で煽ってこなければな」
唇が、あと少しで重なりそうなぐらいに顔が近い。風邪が伝染る伝染らないとか、もう手遅れなんじゃ……。
そのまま唇を重ねたい欲を抑えるか、否か。この誘惑に身を委ねてもいいかな?
やっぱり、私は誘惑に負けた。そっと重ねた、怜の唇の柔らかさ。もっと味わいたくて、一瞬離してからもう一度重ねる。怜のTシャツの裾を掴んだその時、再び姿勢が反転した。
「唯……俺、我慢してたのに」
太腿に当たる彼の硬さを感じて、下腹部の奥が疼いた。
「怜、当たってるよ?」
「当ててんの」
「もう我慢できない?」
「こんなことされて我慢できるわけ」
「でも明日仕事」
「朝からユンケル飲めばいける」
「それじゃ完治しないじゃん」
煽ったのは唯だろ、と掠れた声とともに噛み付くようなキスが降ってきた。唇を貪られると同時に、怜の大きな掌が布越しに膨らみを揉みしだく。お風呂の後だったから、下着は着けていなかった。難なく先端を見つけた彼は、指先でそこを掠めた。その刹那、脳の奥に快感が走った。
「……んぁあっ!りょ、う……」
「唯……好きだ」
就寝時は下着を着けない主義の私は、素肌に怜のTシャツしか身に付けていなかった。そもそもこの格好をしていた時点で、私は彼を煽っていたのかもしれない。
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