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2.
しおりを挟む「お風呂、出ました。ありがとう」
「ん」
振り返った怜が固まっている。
「どしたの?」
ソファの隣に座ると、先に入浴を終えていた彼から同じシャンプーの匂いがした。同じ香りを纏えるって嬉しい。
「や、あの……何でもない」
目を背けた怜の頬も耳も紅く染まっている。あれ?お風呂入ったせいでぶり返しちゃった?
「怜、顔赤いよ?熱また出ちゃった?」
額に手を伸ばすと何故か後ずさった。
「怜?」
「だ、大丈夫だから」
なんかぎこちないな。どうしたんだろう?
「本当に?」
「大丈夫だってば」
「ふうん」
今、私は怜に借りた大きめのTシャツを身に付けている。彼が着るとダボっとした感じになるんだろうけど、私が着るとそこそこミニのワンピースみたいになる。
彼シャツ効果ってやつ、かな?にしても、ちょっと効き過ぎじゃ……。
不意を突いて額に触れる。うん、指先で感じる怜の体温は平熱っぽい。
「何驚いてんの」
「驚いてない」
「そう?」
そんな風には見えないけどな。急に口数の減った怜に戸惑いつつ、スマホを確認した。
「何?LINE?」
「んー…見たけど、特に何も無いっぽい」
視線が何やら不満気だ。そっか、自分が隣いるのにスマホを弄るのは気に入らないのかな。そういえば何回目かのデートでも似たような不満を言われた気がする。
「怜、スマホの充電させてもらっていい?」
「そこにあるよ」
視線の先にあった充電器にスマホをセットする。
危ない危ない。もう来ないとは思うけど、怜といるときに佐々木さんから連絡があったら一大事だ。
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