27歳女子が婚活してみたけど何か質問ある?

藍沢咲良

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「星宮さん。私と付き合うということは、もう結婚を考えないといけないと、そういうことなの。星宮さんが、まだ結婚したくないなら」
「ねえ唯ちゃん待って?結婚って言えば、俺が逃がしてくれるとでも思ってる?」 
また彼の強い瞳に捕えられた。この瞳に見つめられたら、金縛りのように動けなくなる。この人と付き合ったら、この瞳をしょっちゅう喰らうことになるのか。

「俺と付き合わなかったら、唯ちゃん、俺じゃない他の男と結婚するってことでしょ。そんなこと、させない」
一瞬彼の表情に躊躇いが見られた。そうだろうな。一生を決めるかもしれないことを、そう簡単には言えないよね。

「にんにくの匂いさせながら言うことじゃないかもしれないけど。でも言うよ」
そっちか。そうでした。今の私達、2人ともにんにくの匂いが……。

「唯ちゃん。結婚を前提に、俺と付き合ってほしい」
言った!言ったよこの人!星宮さんも私もにんにく臭いという現実を跳ね除けて、決定的なことをこの人は言った。

にんにく臭い私でもいいよってこと?そしてにんにくの匂い漂う自分を受け入れて、とそういうこと……?

「星宮さん、今私、相当にんにく臭いと思うけど……」
「お互い様じゃん?でもさ唯ちゃん。結婚するって、夫婦になるって、にんにく臭いお互いを受け入れるってことじゃないか?」
「に、にんにく……」
「俺、唯ちゃんがどんな匂いしてても好きだよ」
「どんな匂いって……じゃあ、私が汗臭くても?」
「むしろ大歓迎」
「真顔で言わないでよ。星宮さん変態?」
「ひでえ。俺泣いちゃうよ?」
彼が目を細めると、なんだか私の警戒が解けてきた気がした。

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