84 / 244
3.
しおりを挟むまさか、もうそういう話になるとは思わなかった。付き合う、付き合わないの話をするなら、きっと食事中じゃないときだと、そう思っていた。
「……あのね、星宮さん」
「うん」
星宮さんが真剣な表情で私を彼女にって言ってくれるのなら。私も真剣に返すべきだ。それが、礼儀ってものだ。
「私ね……」
ちょっと待て。婚活してるとは言わない方がいいかも……?他の人とも会ってるっていうのを知られるって、良くない気がする。
「その、次に付き合う人と結婚したいと思ってるの」
彼は目を見開いて私を見た。でもすぐに真剣な表情に戻った。
「私、27だから……。出産とか育児とか仕事の復帰とか。色んなことを考えると、もう結婚を考えない付き合いっていうのは出来ないって思ってて」
「唯ちゃん」
互いの顔を見たまま、多分少し、私達は止まっていたと思う。
「唯ちゃんの中で、俺って結婚相手として選択肢に入るの?」
結婚相手として。星宮さんを、結婚相手として考える……。この無双イケメンと夫にするってこと……?
「俺、唯ちゃんとこれからも一緒にいたい。色んな所、一緒に出かけたい。俺がそう思えるのは、唯ちゃんだけなんだ」
「星宮、さん……」
彼は、私と付き合うイコール結婚になるという可能性があってもいいと、そう言っているのだろうか?ねえ私、言ったよね?次に付き合う人と結婚したいって。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
21
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる