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神様、この人でしょうか?
しおりを挟む煉瓦造りの、落ち着いた雰囲気の店構え。ドアを開けると、頭上のベルが控えめに音を響かせた。
「……素敵なお店」
「だろ。俺の伯父さんがやってる店なんだ」
えっと……⁉︎俺の伯父さん、だと……?まだ付き合ってもいないのに、ご親戚とご対面ってやつですか……?
私が自惚れていなければ。星宮さん、外堀埋めようとしてる……?
「怜、いらっしゃい。……そうか、今日は彼女と一緒だったのか。お前が珍しく予約したと思ったら」
「お、伯父さん!……唯ちゃん、これ、父の兄で」
「これとか言うなよ。どうも、雄一でぇす。怜、彼女連れてくるなんて初めてじゃ」
「伯父さん、早く案内してよ」
「はいはい。予約のお客様、お越しです」
店内奥の窓際の席。出窓には……名前はわからないけど、見たことある感じの青いお花が飾られている。そうか、向日葵は終わりの時期だからもう飾らないのかな。
「花、向日葵じゃねえの?」
「もう終わりの時期だからな。今日はリンドウにしたんだ」
星宮さん、花に興味ある人なんだ。伯父さんとの会話からして、花の知識があるのが当たり前なおうち?
健二は花に全く興味が無かった。私が部屋に季節の花を飾っても全く触れない。飾ってようが飾ってなかろうが、健二にとってはどうでも良いことのように思えた。
「星宮さん、花、ちゃんと見る人なんだ」
「……?飾ってあったら見るもんだろ?」
花を見るなんて当たり前のことだと言わんばかりの、怪訝そうな顔で私を見た。
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