27歳女子が婚活してみたけど何か質問ある?

藍沢咲良

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「……そこ、ちょっとよくわかんないんですよね」
「わかんない、とは?」
ホワイトソースベースのスクランブルエッグのパスタはフォークにうまく玉子も巻きつけるのが食べるコツだと密かに思っている。難しい顔をしているかすみんはいつもカルボナーラだ。

「言葉が、無いんですよね」
「決定的なやつ?」
「そうです。デートはもう……4回ぐらいしたんですけどね。綾瀬くんと会うのは楽しいんですけど。でもこちらから付き合ってくださいって言えるほどの恋愛感情は無いというか」

わかる気がする。恋には落ちてないけど、好意はあるんだろうな。一緒にいるには楽しいけど、ときめきがあるかどうかは私だって妥協したくない点ではある。

「綾瀬くんは、どうなんだろうね。次に会うのはいつ?」
「土曜日です」
土曜日か。私が時間差でダブルブッキングしてる裏でかすみんも綾瀬くんとデートするとは、何やら不思議な気がする。

「土曜日、私もかすみんも難しいデートをするわけか」
「先輩ほどじゃ無いですけど。私の相手は1人だけなんで」
もごもごと口を動かしつつ、口を手で隠しながらもばっさり斬るかすみんの流し目。これを綾瀬くんは毎回喰らっているのか。

それともこのかすみんの流し目が活用されていない可能性があったとしたら、それが綾瀬くんのかすみんへの起爆剤になるのかもしれない。
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