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2.
しおりを挟む「がっつり二股、ですね」
「やっぱり?」
かすみんとの久しぶりのランチ。カウンターだけの小さなパスタ屋さん。大将と奥さんだけでやっているお店で、調理中の大将の手際が華麗で、かすみんと2人でよく見惚れている。
ていうか、かすみん。他のお客さんに私の恋愛事情モロバレなんですけども。みんな聞いてないふりして聞いてるパターンじゃん。私だったら絶対聞いてる。
「でも婚活って強かじゃないと上手くいかないんでしょ?」
「何でかすみんの方が婚活に詳しいのよ」
むう、とかすみんを軽く睨む。最近このパターン増えてきた気がする。どっちが先輩なんだか。
「先輩がこないだ教えてくれた荒野さんが言ってました」
「まじか」
かすみんも荒行を始めたのか。涼しい顔してちゃっかりしてるのがこの子だもんな。
かすみんはかすみんで、綾瀬くんと順調にデートを重ねているらしい。ん?そういえば。
「ねえかすみん。綾瀬くんとはもう付き合ってるの?」
「っ!ごほっ!」
「え、ちょっとかすみん、大丈夫?」
「先輩、急な斬り込みはご遠慮を、ごほっ……」
「ごめんごめん」
お水を飲んでいる最中に私の斬り込みを喰らったかすみんの背中を撫でている最中に、注文していたパスタが静かに目の前に置かれた。
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