27歳女子が婚活してみたけど何か質問ある?

藍沢咲良

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「ああ、美味しかった。魚ってただ焼けばいいってもんじゃないんですね」
鮭ハラス定食に舌鼓を打った私達はあっという間に食べ終えた。ふと店の外を見ると、お店に入る為に近くの店で待っている客の姿があった。

この待ってる人達、お昼休憩の時間は大丈夫なんだろうか?でも、待ってでも食べたいよね。これだけ美味しければ。

「焼き魚って、ただ焼いてるだけじゃないの?」
ほうじ茶を喉を鳴らして飲み干した星宮さんは不思議そうな顔をした。その喉仏に一瞬目を奪われたのは内緒。バレたらチョロい女認定されるの確定だもの。

「自分で焼くとなるとなかなか難しいんですよ。一人暮らしのアパートにはグリルがある訳じゃないし」
「そういうもの?俺、家で魚焼いたこと無いからな。って、唯ちゃん料理するの?」
「しますよ。朝と夜は自炊してます」
「じゃあ今度手料理…」
「外で待ってる人みえますから。そろそろ出ましょうか」
「唯ちゃん、スルー華麗過ぎ」

レジでは先週の金曜と同様に星宮さんが私の分の会計もしてくれた。
「あの、私の分……」
「今日は俺が誘ったから。これぐらいカッコつけさせてよ」
「でも」
「いいから。気にするなら、また俺とご飯食べてよ?」
「出してもらってばかりだと、逆に誘いに乗りにくいです」
少し考え込んだ彼はぱあっと明るい顔をした。


「だったら。今度の土曜日、俺に1日頂戴?」

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