27歳女子が婚活してみたけど何か質問ある?

藍沢咲良

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舌鼓

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「居酒屋、ですか?」
「居酒屋のランチ、美味しいんだよ」

私達の働くビルから歩いて数分。急いで出たから日傘を忘れて「しまった」と思っていた。紫外線がアラサーの私に降りかかる。

男性と二人で歩くなら、日傘は使わなくて正解だったのかもしれない。長身のこの人の肩に私の日傘がうっかり刺さるところだったかもしれない。

ビルの谷間から見える青空と入道雲のコントラストが目に眩しい。夏が終わるまで、まだしばらくかかるんだろうな。

大通りから小道に入って少し歩いたところにその店はあった。角にあるコンクリート造りのそのお店は、夜になったら間接照明がさぞかし綺麗であることが感じられた。ここもこの無双イケメンのナンパ狩りスポットなのかしら。

階段を少し上がって星宮さんがドアを開けた。彼に続いて私も入る。
「あ、涼しい」
冷房の効いた店内は近隣のビルで働いているであろう人達が、もう既に注文を終えている様子だった。

「こちら、カウンターでよろしいですか?」
テーブル席はもう既に埋まっていた。私は知らなかったけど、人気店なのかな。
「唯ちゃん、カウンターでもいい?」
「はい」
ここでテーブル席がいいだなんて駄々をこねるつもりはない。紗香じゃないんだから。

店員さんに通されたカウンター席に座る。鞄を足元のカゴに入れて、やっと落ち着いた。
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