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しおりを挟む何でまだ付き合いがあるのか?傍若無人さに耐えかねて紗香のことを映美に話したとき、そう問われた。私もよくわからない。
紗香とは小中学校が一緒で、家が近所だった。それだけ。紗香を含む他の女子会メンバーはいい子達で、その子達とは仲良くしたいから、仕方無くそのまま紗香と友達として付き合っている。同じ状況の人、世の中に結構いるのかもしれない。
待ち合わせ場所としてよく使われる、巨大なマネキンの脚元。紗香以外のメンバーは集合時刻になる前にもう来ていた。それぞれ早く着いていて、近くのお店をふらふらと見ながら待っていたらしい。私も同じく、近くの本屋で雑誌を立ち読みしつつ時間を潰していた。
集合時刻から12分経過。ようやく紗香のご登場。
「もう、電車すっごい混んでてぇ。足踏まれかけて最悪」
遅刻しておいて「ごめん」の一言が無いのは紗香のデフォルトだ。私も含め、みんな一様に苦笑いしていても、何故か偉そうに腕を組んでいるこの女王様には関係ない。
お店に移動する道中、杏果の隣に紗香が並んだ。それと同時に、紗香のマシンガン愚痴大会が始まった。
聞こえないふりしちゃってごめんね杏果。今日の私には杏果を助けてあげられるだけのメンタルの余裕が無いの。私が紗香に正論ぶっかけて、この紗香のめんどくさい泣き落としに付き合わされるよりはマシだと思って!すまぬ。許して杏果ちゃん。
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