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しおりを挟むさ、て……。今日は夕方から女子会か。また飲むんだな。いや飲むのは好きなんだけど。連日なんだよね。今日はアルコール、抑えめにしておこう。
彼氏がいるときの女子会は問題無い。彼氏がいないときの女子会。これはもう、億劫でしかない。いつからだろう?『彼氏がいることがステータス』になってきたのは。遠い記憶を辿る。
あらびっくり。高校一年生の時に紗香に彼氏が出来たという話が出て以来、ずっとそのステータスは浸透していた。そうか。高校一年か。今だったら中学生の頃からこんなことに悩まされないといけないのかもしれない。今の中学生、大変だな。
健二と別れたことを報告したら喰らうであろう、同情の眼差し。今からもううんざりだ。紗香が私に吐くであろう台詞も今からもう浮かんでいる。
「唯ならきっとすぐ彼氏できるって。私の彼氏に友達紹介してもらおうか?」
ああだめ。本当にうんざりしてきた。うんざりを通り越してげんなりだ。うんざりの最上級表現って何なんだろうな。
「唯は理想が高いからなあ。合コンでお持ち帰りされるぐらいしたらいいのに」
お持ち帰り推奨のこの言葉を聞いたときは耳を疑った。この貞操観念の低さが、紗香に男が途切れない秘訣なのかもしれない。
初対面の男にお持ち帰り?嫌です。むしろこちらからお願いしたいぐらいのイケメンだったら考えなくはないけど。でも紗香の主催した合コンでそんな顔面偏差値高い男、見たことない。私とは、何となく空気感の合わない人だらけだった。そもそも、紗香が私の空気感と合ってないのかもしれないけれど。
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