27歳女子が婚活してみたけど何か質問ある?

藍沢咲良

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「まあまあいいでしょ?合コン中だったみたいなんですけど、ノリがイマイチだったらしくて。さっきナンパしてきたから連れてきちゃった」
連れてきちゃったって。まさか本当に連れてくるとは。かすみんの有言実行って本当に成し遂げるから恐ろしい。

「まあまあって。かすみちゃん、俺もそこ座っていい?」
「どうぞどうぞ。何飲む?」
意気揚々とメニュー表を覗き込む二人の物理的距離がいい感じに近い。これ、空気読んであげるやつ?

今飲んでる大魔王が空になったら理由つけて帰ろうかな……。少しペースを上げて飲み進めていた。
「綾瀬とかすみちゃん、いい感じじゃない?」
鼓膜を心地良く揺らすその声がいい声しているのは認めましょう。でもね、耳元で囁くのは無しでしょう。息が耳にかかって、うっかり硬直してしまうじゃない。

「そうですね」
「それ飲んだら抜けよう?」
お持ち帰りしようとしてるな、これ。この一杯を飲み終えたら抜ける気でいたけど、この人と一緒に何か、ということは避けよう。今日は自分の部屋に帰って、お風呂にゆっくり入る。そして健二のことなど忘れて深く眠るんだ。私の予定を変える気など、さらさら無い。

「やだ、綾瀬くん。面白い!」
かすみんが綾瀬くんの腕をバシバシと叩いた。何が面白いのかはよくわかんないけど。一つわかっているのは、腕を叩かれた綾瀬くんの表情が満更でもない、ということだ。
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