27歳女子が婚活してみたけど何か質問ある？

失恋にはアルコールで消毒を 1

ぷはあっ！ああ、今日もビールが美味しい。

「唯ゆい先輩、いい飲みっぷりですね」
「１杯目から焼酎ロックいっちゃうかすみんかすみん・・・・も、なかなかだよね」

金曜夜の、間接照明の綺麗な居酒屋。職場の後輩、かすみん・・・・こと、佳純かすみは私の２歳下の25歳。女性の多い私たちの職場で、彼氏がいないのは私とカスミンの２人だけ。

仕事よりも男漁りとお化粧、ネイル、ヘアスタイルの調整に忙しいお嬢さま方とはどうも気が合わない。気がついたら私とかすみんは２人でよくつるむようになった。


「でも唯先輩。良かったんですか？今日金曜夜ですよ？」
「何が」
「彼氏さん。束縛強めの。良かったんですか？」

彼氏……。かすみん以外の女性陣には存在を隠していた彼氏。はい、過去形です。

「別れた」
「え」
「元カノと二股かけやがってた。熨斗のしつけて押し付けてやったよ」
にやりと笑い、かすみんに視線を流す。一瞬目を見開いた彼女は手を挙げて店員さんを呼んだ。

「生と黒霧ロック、追加で！」
「かすみん？」
「束縛二股野郎とお別れ出来るなんて最高じゃないですか。乾杯しましょ！今日はお祝いです！」

お祝いか……。一応失恋なんですけど。３年付き合ってたし結婚も考えてたんだけど。

「そんな奴の為にしんみりする事ありません。束縛二股野郎と結婚なんてしたら、唯先輩苦労してましたよ？」
「うーん。それは……否定できないかも」
「確実ですって。……ほら、追加の生、来ましたよ」