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6.
しおりを挟む「何か作ろうか?」
言ってみたかった、この台詞。ただ、自宅でぬくぬくとお母さんのご飯を日々食べている私にレパートリーなんてほぼ無い。焼きそばぐらいなら……作れるかな?
「ももちゃん、作ってくれるの?」
そうちゃんの目が輝いている。はい、もうレパートリーが無いなんて言えません。現在、軽くピンチ。
「冷蔵庫に何か、入ってる?」
入ってませんように。食材が無ければ作らずに済む。そうちゃんと一緒に冷蔵庫を覗く。中にはケチャップとマヨネーズとチーズ……だけ?
「そうちゃん……これは」
「スーパー行かないとだな」
「まだやってる?」
陽はとっくに落ちていた。
「コンビニだったら」
「コンビニじゃ割高じゃん?」
スーパーよりコンビニの方が高いことぐらいはわかる。
「……食べに行くか。ももちゃんの手料理、食べたかったけど」
そうちゃん、本当に残念そう。でもチーズと調味料だけでは晩ごはんは私のお母さんでもきっと作れない。そうちゃんには申し訳ないけど、冷蔵庫が空っぽで助かった。
「今度来るときは作るね?」
「絶対、な?」
ああ。今私、確実にハードル上げた。お母さんに何か料理教えてもらわないと……。でもお母さんに頼んだら何か言われるかもな。
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