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目を覚ませ!
しおりを挟む「伊沢くん……どういうこと?この人は」
「私は良樹の彼女!この泥棒猫が!早く出ていけ!」
え、ちょ、泥棒猫って本当に使われる単語なんだ。じゃなくて。目の前のこの濃いメイクのキャバ嬢ぽいこのおねえさんは伊沢くんの彼女を名乗ってますよ?
「私も彼女ですが。高校からの」
服を手繰り寄せながら精一杯のマウントを取ってやった。だって悔しいじゃん。彼女っていっても私は惚れてないけど。何なら今日はお別れしに来たんですけど。なのにエッチしちゃってたのは断れない私の性格がいけないんだけど。
伊沢くんに触れられて身体の色んなところが快楽に染められたのは認める。これが流されるってことなんだよね。はい、流されました。でもいいじゃない。仮にも彼氏彼女なんだから。
目の前の怒りに震える派手な彼女は私をずっと睨みながら声も出さずに泣いていた。高校からの彼女と聞かされて、自分が浮気相手だったと悟ったのだろう。
さっきの快楽のその先は正直気になる。でもやっぱり、本当に私の初めてを捧げる相手は伊沢くんじゃない。少なくとも、浮気をするような男に捧げるつもりはない。流されて本気で拒まなかった私に説得力なんて皆無だけど。
伊沢くんは服を身につけることなく、まだ固まっていた。
身支度を終えた私は立ち上がった。
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