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ずっと 4
しおりを挟む「にゅ、にゅうせき、び…?」
「そう。本当は、俺だって母親が納得してからが良かった。美咲の心配事は少しでも減らしたかった。でも、今すぐには難しい。でも俺は美咲と結婚したい。だったら、俺たちのタイミングで籍を入れるのがいいと思うんだ」
悠さんの表情は真剣だ。決して軽い言葉じゃない。彼がそう言うなら、そう思うなら、納得出来るなら。幸せになってもいいのかもしれない。
「何なら、今日婚姻届貰いに行く?」
「今日市役所お休みでしょ?」
「休日窓口で貰えるんじゃね?」
目を細める彼と頬が緩んでしょうがない私。問題は完全解決していないけど、二人で長い時間をかけて解決していくのもそれもまた一つの形だと思う。
「幸せになっても、いいんだよね?」
「当たり前だろ。美咲がいてくれれば、俺は幸せ。美咲だってそうだろ?」
「うん。悠さんがいてくれれば、私も幸せ」
夕陽の差し込むサービスエリアの片隅。私達は永遠とも思える時間、笑い合いながら抱き合っていた。
「ねえママぁ。あのおにいちゃんとおねえちゃん、ぎゅーしてるよ?」
「…っ!…たっくんも、ママとぎゅーしようか?」
「ぎゅー」
すれ違う親子の会話が耳に入ってしまった。
「あの…悠さん、そろそろ…」
「そうだな…」
バツの悪い思いをして身体を離す。でも彼も私も頬の緩みは止まらない。幸せに包まれたまま、私達の住む街へと帰路を急いだ。
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