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邂逅 4
しおりを挟む「時間、そんなにあるわけでは無いので。花屋さん行こうか」
全員が水筒のお茶を一口飲んで、神社の右手にある坂道を降りていった。アスファルトの坂道は苔が生えていて滑りやすい。
「せいじくん、真っ直ぐ歩いて!」
列を乱しがちな一年生のせいじくんはふらふらと歩いていた。苔に足を滑らせそうで、後ろから見ているとヒヤヒヤする。
坂を無事に降りた。花屋の手前の広場の隅で小さく円になる。
「今から花屋さんに入ります。お店の物は触りません。挨拶は元気よくしてくださいね」
鈴木先生の合図で一列になり、花屋の店舗に入っていった。
「おっ、あつしくんじゃないか。みんな、いらっしゃい」
あつしくんはゴッホの池からすぐ見える家に住んでいるらしい。あつしくんにとってはこの辺りは庭同然だ。
「ゆきちゃん、挨拶を」
鈴木先生が2年生ナンバーワンしっかり女子、ゆきちゃんに挨拶を促した。ナンバーワンといっても、2年女子は二人しかいないけど。
「柿山小1年生と2年生です。よろしくお願いします。」
ゆきちゃんに続いて全員挨拶をした。店内をメモ片手に見学する子どもたち。柿山の子はみんな大人しく、店内の品物を勝手に触って騒ぐような子はいない。
…店舗の方には、悠さんはいないようだ。
「温室の方、よろしいですか?」
鈴木先生が店長さんに確認を取る。温室の方にもうすぐ移動するんだな。
「どうぞどうぞ」
「では柿小の1・2年生の子たち、温室に移動しますよ」
鈴木先生が合図した。
温室は、花屋の店舗と通路で繋がっており、数歩で到着した。
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