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理由 14
しおりを挟む水を飲んで、せめて化粧を落としに行こう。ベッドから降りようと、そっと身を起こした。
手首を掴まれ、また悠さんの腕の中に閉じ込められてしまった。
「悠さん…?起きてたの?」
「どこ行くの?」
「喉、乾いたから…お水を飲みに行こうかと」
「俺を置いて、黙って行くの?俺の奥さんは」
「だって、お水飲みに行くだけだよ?…悠さん、よく寝てたし」
「美咲は朝になったら消えてしまいそうなところがある。捕まえてないと、俺眠れないの」
彼の幼少のトラウマが、そうさせているのだろうか?直接は聞けないけど、無関係では無さそうだ。
「ねえ悠さん、私お水飲みたいの。化粧も落としたいの」
「じゃあ、飲ませてやるよ」
何も身に付けていない、そのままの姿で彼は私の手を引いてキッチンに向かった。辛うじて掴んだ彼のシャツを羽織ろうとしたら、すぐに奪われ、私もそのままの姿で行くことになってしまった。
グラスに水を入れると、自らの口に含んだ。喉仏の音を鳴らして飲むその姿に、更に色気を感じてしまう。
「悠さん、私も飲みたい…」
私の頬に指を添えると、唇を重ねた。
「口、開けて…?」
言われた通りにすると、悠さんは水を口に含み、また唇が重なった。彼の口から水が流れてくる。こくん、と飲むと、私の身体は水分をもっと欲しているということがわかった。
「まだ、欲しい?」
頷くと、また唇を重ねた。今度はさっきよりも多めの水が流れてきた。もう、十分に飲めたみたいだ。
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