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理由 3
しおりを挟む「お待たせしました。日替わりと天蕎麦二つね」
勝雄さんが私達3人分のランチを持って来た。うん、これが食べたかった。日替わりを置いた直後に勝雄さんと安達先生の視線が絡んだのを私は見逃さなかった。
「エビフライ、美味しいでしょう」
不意にトメさんに声をかけられた安達先生は身を固くした。
「は、はい。カラッと揚がって歯応えもいいです」
目が泳いでいる。挙動不審過ぎてツッコミたい衝動に駆られる。ああトメさん、貴方が会ってみたいと話していた勝雄さんの彼女はその、安達先生ですよ。
「この店でエビフライを食べたのは今日が初めてだったのよ。店長さんの彼女の影響かしらね?」
「はは…」
だから安達先生、もうバレバレだってば!ふと白井先生を見れば、必死に笑いを堪えている。ポーカーフェイスを保つのが上手な白井先生だが、今回は口角が上がるのを止められなかったらしい。一連のこのやり取りで色々と悟っているのは間違い無い。
「トメさん、そろそろ…」
今日のトメさんのお連れ様は物静かなおじいさま一人だけだった。静かに席を立つと、先にレジに向かった。
「ご主人ですか?」
私が問うと、トメさんは少女のように頬を染めた。
「彼氏なの」
「「「ええっ!」」」
3人とも大きな声が出てしまった。
「主人はね、数年前に亡くなってるの。シゲさんとはお付き合いしてるの」
「そ、そうですか…」
そういえばトメさんをさん付けしていたものね。そうか、彼氏か…。
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