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静黙 11
しおりを挟む「家庭科室の隅っこに大きいゴミ袋3つ分あったんですよ。でも午前中だけで何とか片付きました」
「そうなんだ。ねえ、もういい時間じゃん?お昼行こうよ」
安達先生は意味ありげな目配せを私に寄越した。安達先生…私の婚約を吐かせたいんでしょうけど、それは自身の幸せの報告とセットであるという自覚はあるのだろうか?
「いいですね。行きましょうか」
白井先生が立ち上がる。安達先生と私もそれに続いた。
「今日はどうします?いろは屋さん行きます?」
今回の車出しは白井先生。私が車を出すと言っても何故か遠慮されるパターンが多い。私、安全運転なんだけど。先日、家から柿小まで30分で到着出来てしまうと語ったのがそんなに不味かったのだろうか?確かにナビだと一時間、地図アプリだと何故か時間が変わって40分かかる距離ではあるのだけど。
「そうだね。暑いし、今日はお蕎麦かな」
本当はKURUMIで安達先生を追求してみたかったのだけど。白井先生のお気に入りのいろは屋さんのお蕎麦も食べたくなってきた。
「あれ?今日は混んでますね」
いろは屋さんの駐車場が混んでいる。まさかの駐車場が満車だ。
「そういえば昨日、ヒルデスサンデーでいろは屋さん紹介されてたわ…」
ヒルデスサンデーはローカル番組のワイドショーのようなもので。安達先生はそれを観ていたようだ。
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