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暁天 11
しおりを挟むKURUMIからの帰り道、安達先生の言葉は少なめだった。
職員室に戻ると、冷房がよく効いていた。
柿山は避暑地でもあり、街中とは3度気温が違う。
それでも30度を超えると暑いものは暑い。
「ねぇ、結城先生」
給湯室で麦茶を入れている私に白井先生がそっと話す。
「さっきの…」
「うん、そうだろうね」
当の安達先生はまだぼんやりした様子だ。
「いいなあ。私も、恋がしたいです」
「白井先生なら、選び放題でしょ」
美人養護教諭っていうだけでモテてそうだけど。
「興味無い人からモテたってしょうがないじゃないですか。鬱陶しいだけです」
モテることに慣れている人は言う事が他とは違う。
「打ち合わせ、14時だっけ?」
「ですね」
「で、飲み会が18時。明日から授業が無いから幾らでも仕事を後回しに出来てしまって良くないね」
「でも終わってないと気持ち悪いから結局やっちゃうんですよね」
「ある種の仕事中毒だね、私達」
笑いながら給湯室を出ると、職員室内にはほとんどの先生方が昼食から戻っていた。
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