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疼き 9
しおりを挟む悠さんと暮らすようになってから、私は平和を謳歌していた。
桜汰はあれから3度、マンションに来たらしい。
3回とも美佳子叔母さんに通報され、ついに桜汰の家まで警察が行ったらしい。
その知らせが美佳子叔母さんと警察の両方から来た頃、また桜汰からのメッセージが頻繁に来るようになった。
ブロックする度にアカウントを作り直してまた送り付けてくる。
「はあぁ…」
「美咲?どうした?ため息なんかついて」
今日の晩御飯は唐揚げとサラダと味噌汁にした。唐揚げを黙々と揚げるのって案外ストレス解消になる。
悠さんに言おうかどうか、一瞬迷った。桜汰のストーカー行為のせいで私は今、彼の部屋で生活を共にしている。
迷惑掛けたくないし、心配掛けるのも嫌。
「美咲…何か隠してるだろ?」
つい、ビクッと身体が反応してしまった。これでは隠していると言っているようなものだ。以前、桜汰のメッセージについて相談しなかった際には怒られてしまっていた。今回もそうなってしまうかもしれない。
「あの…桜汰、なんだけど…」
桜汰がマンションに行ったこと、警察が桜汰の家に行ったこと、またしてもメッセージがブロックしてもいたちごっこのように来てしまっていることを告げた。
悠さんの表情が、みるみる険しくなっていくのがわかった。
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