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小濁り 6
しおりを挟む全裸のままの醜い男を視界に入れる。
「私の荷物、処分しといてください。二度とあなたと関わる事は無いでしょう。連絡も一切しないでね」
自分の口から、こんなにも冷たい声が出るなんて。知らなかった。
玄関に置いた鞄と食材を手に取ってドアを開ける。
桜汰の為に揃えた食材だった。
あんな醜い生き物の胃に入るかと思うと、それすら嫌だ。
「美咲!」
マンションの部屋を出て廊下で肩を掴まれる。
辛うじて下着とスラックスは身に付けたらしい。
「何?もう用は無いでしょう?」
「俺…別れたくない」
「は?」
本当に、「は」の一文字しか出て来ない。
この状況で私を引き留められると思えるプラス思考が恐ろし過ぎる。
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