上 下
17 / 76

ミスキャスト 4

しおりを挟む
このバイトを始めて以来ダントツの居心地の悪さだ…。

店長は今も怪訝な顔をしてあの客を見ている。

あぁ店長、私の同級生が変な注文してごめんなさい…。
本人に自覚が無いから私が代わりに謝ります…。


客が2人とも席を立った。

やっと帰る気になったらしい。

レジに来たのは西野の方だ。

「お会計、960円です。」

西野は無言で千円札を出す。

「40円のお返しです。ありがとうございましたー」

もう、定型文しか出てこない。

西野は咲妃の顔を見るのを避けるように、連れの男性客とともにドアの外に出て行った。

西野がいたテーブルを片付ける。

ハァ…。どっと疲れた…。

できればもう、私が入っている日には来ないで頂きたい…。
しおりを挟む

処理中です...