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1対2 3

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数日後。

再びホスト風の男が来店した。
連れは…髪の長い女だけだ。

またしても6人用の席に陣取られてしまった。
咲妃は心の中で舌打ちをする。

同伴というものだろうか?

水とおしぼりを持って接客する。

注文は男がホットコーヒー、髪の長い女がアイスオーレガムシロ入り。前回と同じだ。

咲妃は洗い終わった大量のティースプーンを拭きながら2人を観察する。

ホスト風の男は小学校の時、歯磨きに5分かけていると話していた。
今でも続けているのであろう。
確かに歯は白い。

女の方は甘ったれた声で話しているようだ。

隣り合わせではなく、向かい合って座っている。

このあたり、2人にまだ距離があるのだろう。
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